ロールの仕方

    • sirahiyo
    • 登録日 2013/5/18
    • カテゴリ ノウハウ

同じく、某所で自分が書いた記事の転載。

TRPGのプレイヤーキャラクタを操作する場合、 
私は大まかに分けて4つの操作方法があると思っている。 

1. プレイヤーが望む方向にキャラクターを動かす(指し手タイプ) 
2. プレイヤーが望む方向にキャラクターの行動を動機付ける(作家タイプ) 
3. キャラクタの動きをプレイヤー判断で操る(騎手タイプ) 
4. キャラクタの望むままにさせる(イタコタイプ) 

私は大抵騎手タイプである。 
色々な気質のキャラクタを基本的には好きにやらせて、 
問題行動をしそうになった時のみ手綱を引いて行動を修正する。 
無論、「問題行動」というのはその場の状況(主にGM)によって違うので、 
場の雰囲気をなるべく読むことが肝要となる。 
なお、私はこのタイプが一番性に合っているというだけで、 
真似をする必要もなければこのタイプが一番優れていると言う気もない。 

このタイプの長所は、キャラクタの自由度が高く、 
自分とある程度離れたキャラができる上に、 
そのキャラクタがセミオートで思考し行動してくれるので、 
プレイヤーとして考えてそのキャラクタだったらその考えが出るかどうか考えて、 
そのキャラなりの場に合った発言を考えて、とか、そういう手間を省くことができるところだ。 
ということで、今回は騎手タイプを取り上げて説明する。 

キャラクタが動き始めるには、ある程度そのキャラクタの行動指針がなければならない。 
私がプレロールドが不得手なのは、自分で決めたのでない行動指針は 
自分のものにし辛いためである。 
キャラクタが動いてくれるといっても、当然脳みそは自分のものなのだから、 
自分の中にある程度存在する規範でないと動いてもくれない。 
私が人外キャラをやる時も、人間らしいところを欠落させたり、 
人外に近いところを誇張しているだけだ。 

というよりも、私のプレイヤーキャラクタとなったキャラクタは 
全てこの欠落(引き算)と誇張(足し算)によって造られている。 
例えば、メガトラベラーの自キャラであるズートとカンラヤーをつくる時は、 

ズート: 
+→損得勘定、決断力、自信、自意識、生まれの誇示、孤独感、怒り、依存心 
-→平等意識、親切心 
カンラヤー: 
+→好戦、感情、超論理 
-→気遣い、思いやり、整合性、空虚感 

といった風味である。 
実際組み立てる際には、+-というよりも、まず一本のコンセプトの柱を中心に据えてから、 
盛ったり削ったりという感じに近い。つまりこう。 

ズート: 
貴族 
→ 平民を見下す、責務としての人民保護 
→ 孤高の女王と助け手。上に立たねばならないという強迫観念による恐怖、 
   癒し手としての従者への依存、危うい自己を保つための自己承認による自信 
カンラヤー: 
トラブルメーカー 
→ 好奇心の暴走、距離感・道徳観の欠如 
→ 好戦的かつ感覚的。自他の壁の欠落 

例を見てすぐ分かる通り、私は感情や心理・精神の歪みでキャラクタを造ることが多い。 
典型的なキャラクタが扱いやすいのと同じように、 
歪みはそのキャラクタの行動指針を決めるのに非常に役立つからである。 
そのキャラクタはなぜそう歪んでいるのか?歪んだ原因となる過去は、 
歪んでいる現在を生み、歪んだ行動という未来をつくる。 
人格が破綻しない程度に、周囲のキャラクタと交流出来る程度に 
壊れたキャラクタにしておくのが動かしやすくするためのコツとも言える。 
妄想、誤解、衝動、発作、歪んだ思想、間違った感情が私のキャラクタの原動力である。 

こんな風に内面を狂気じみさせているので、 
そのまま演じるとただのアブない精神異常者になってしまうので、ここで魔法をかける。 
「二次元化」「フィクション化」「テンプレート化」好きなのを選ぶといい。 
つまり、意図的にわざとらしくて薄っぺらい非実在存在にするのである。 
この過程を経ることで、盛りすぎた設定をすっきりさせることが出来る。 
しかしながら、最初からテンプレートキャラとして作って演じるよりも、 
隠し感情背景がある方が、キャラクタは生き生きすること請け合いだ。 
この過程によって、ズートは気違いではなく高貴で自信家なお嬢様になり、 
カンラヤーは天真爛漫格闘娘になる。 
この時どの位加工処理を加えるかは、システムにもよるし、GMにもよるし、 
そのキャラクタはどの位置のキャラクタかによる。 
脇役ならば多少ぶっ壊れていても大丈夫だし、主役級ならば個性も大事だが、 
他のプレイヤーのキャラクタとの兼ね合いも考えなければならない。 

さあ。キャラクタが完成した。 
しばらく自分の中で動いてもらうと良い。 
自己紹介をするなら何を話すのか。何を一番大切なもの/ことだと考えているのか。 
許せないことは何か。やりたいことは何か。 
他のプレイヤーのキャラクタが決まっているなら、書類とか口頭で、 
こんな人のことをどう思うか、会ったらなんて声をかけるか、どういう関係性にしたいかなどを、 
「もし自分がそのキャラクタだったら」どう答えるか、どう思っているのか考え、 
自分の中で言ってもらう。 
そうすると、段々自分の中でキャラクタの確固たる思考があらわれてくるだろう。 
「自分の好きなあの人なら、この場面ではこうする」や 
「自分の好きなあのアニメや漫画のキャラなら、きっとこうする」を、 
「自分の造ったこのキャラクタなら、こうする」にするだけである。 
しかも、前二つと違って、彼/彼女/それは自分の中から生まれたものだ。 
他人よりも余程動かしやすいだろう。 

好き勝手にキャラクタを造ったら、キャラクタが動きまわっている最中、 
手綱はしっかりと握らなければならない。 
「キャラクタが勝手に動いちゃって」とか「こういうキャラクタなんです」というのは、 
相手が「こいつだから仕方ないね」と思ってくれなければ意味がないのであって、 
言い訳としては言語道断である。 
それだったら最初からそんなキャラクタを作るなと言いたくなる。 
その行動がシナリオや卓の雰囲気を悪い意味で壊してしまう、 
とプレイヤーが思った時が手綱の引きどころである。 
手綱を引くとはどういうことか。方法は2つ。 

1. 狂気度を薄める、表現を和らげる 
例:カンラヤー 
「なんでウレタンなんか使うにゃ?相手を殺すまでが戦闘にゃ? 
 殺されたら弱いから興味ないにゃ?別にカンラヤー困らないにゃ」 
→ 「ウレタン巻いて闘うにゃ!倒れたらごろんして治ったらまたやるにゃ! 
   そしたらいっぱい戦えるにゃ!いっぱい戦うの嬉しいにゃ!」 

2. プレイヤーの思考を少し流入させる、もう一つ別の行動を考えさせる 
例:ズート 
「下賤の者がはしたなく私の仕事に口を挟まないでくれる?」 
→ 「ふぅん、そうね。一応頭の隅にはその案、置いておくわ」 

この位和らげておけば、PC間で角が立つことがあっても、 
PL間が不和になることは多分ないといってもいいだろう。 
このブレーキさえかけられれば、後はキャラクタが思ったことを伝えられるように 
自分の身体(主に口を含めた首から上)を預けてあげればいいだけである。 

以上、 
「自分を素材に、コンセプトを柱に切り貼り盛り削り」 
「歪ませて型にはめて再成形」 
「毒々しすぎたら薄めたり塗り直し」 
という三つの工程を踏めば、セッション中セミオートで動く、 
白河式プレイヤーキャラクタが完成するという記事でした。 
ね、簡単でしょ?